12月5日公開講座(報告)
渡邊康平さん、昌子さん with井川さん
講座では素敵な話をたくさんお聞かせくださり、ありがとうございました。
ご自分のことを皆さんの前でお話することは、とても勇気のいることと思います。
渡邊さんの体験されたこと、感じられた真実の言葉が、心に響きました。
そこでご夫妻がお話くださった中から、心に残ったことを紹介させていただきます。
1.認知症と診断を受けた直後
(康平さん)認知症と言われて信じられなかった。いくつかの病院にかかった。話さない、家から出ない日が続いた。
(昌子さん)認知症と宣告された先輩たちは、暴言や暴力、徘徊があるという認知症の刷り込みがあり「あ~なっていくのか」と落ち込んだ。どうなるか不安で、混乱し、食事も摂れず、悩んでいるようだった。能面のような表情、ガラス細工のようで、大事にそっと様子を見て、状態を見ながら対応していた。
2.認知症と告知されてから2年間
(康平さん)このままではいかんと思った。変わらないといけないと思った。自分で自分を探そうという戦いだった。落ち込み、不安もあったが、戦いながら、次をめざしていた。
(昌子さん)告知したのは、(夫を)護りたかった。傷ついてほしくないから、子ども達や近所の人に認知症と言った方がサポートしてもらえると思った。
(康平さん)認知症でもできることもあるとわかってきた。少しずつ人間らしく生きる生き方を取り返していった。できないことは仕方ない。できることをしよう。楽しめることを大いにやっていこう。
-碁会所でのこと-
(康平さん)戦いの場、真剣勝負で戦う。人間として戦ってくれたことは認めてくれたこと。手抜きしない。手加減しない。戦うなら真剣勝負がよい.できることもあると気づいたときに、自信を取り戻す。認知症は治らない。でも自分らしく生きることはできる。
3.妻・昌子さんの想い
(昌子さん)励まさず、そっと見守り、声をかけたりした。(夫の)気持ち、プライドを大事にしようとした。お父さんを護りたい。生きていてくれることにありがとう。
4.オレンジカフェの非常勤職員として
(ご夫妻)カフェは、つながり、安心して話せるところ。ヒントを得る、勉強もできる居心地のよい場所。支えられているようで支えている(関係)。認知症と向き合う。本人と家族の両輪で立ち向かうことを伝えたい。
今回の公開講座のテーマの中に「自分らしく生きる」という言葉が入っていますが、まさに渡邊さんが認知症の診断を受けてから、自分らしく生きるために、ご夫妻が歩んできた道程をお話しくださいました。
貴重なお話をお話しくださいまして、ありがとうございました。
(公開講座に参加して)