コロナウイルス影響下での成年後見
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各種社会活動が制限されているだけでなく、多くの人たちが、それぞれの現場において、日々、大変なご苦労、ご努力をされていることと思います。
全く予期していなかった出来事であり、阪神・淡路大震災、東日本大震災等も多くの被害をもたらしましたが、全世界規模での出来事は、戦後生まれの世代にとり、経験したことの無い状況となっております。
5~6年前より、縁があって成年後見人をさせていただいております。元々介護の仕事がしたくて、この分野に入って高齢者の介護に従事してきました。
介護の仕事と異なり、財産管理、身上監護をもって、被後見人が生活をしていけるよう見守り、支援していく訳ですが、介護と違い、事実行為は、出来ません。
現状、担当被後見人が入っている施設は、コロナ対策から、面会を禁止もしくは、Zoom等を利用した面会に制限されています。
ご自分の意思を言語表出することが出来る利用者様方は、程度に差はあるもののコミュニケーションがある程度とれていますが、多くの方々は、意思表示が困難な方々ですので、今回の制限下では、難しい状況になっております。
成年後見制度に於いて、重要と思うのは、出来るだけご本人の希望・意思を汲み取り、それを如何に実現する事を支援できるかが出来るかに掛かっていると思っています。
施設の相談員や介護職員からの現況報告も非常に重要と思います。月に2-3回しか面会していませんが、逆に日々の小さな変化に気が付かないことに、気づかされるときもあります。
主に認知症を持つ高齢者を対象とした成年後見制度は、権利擁護、本人の希望・意思尊重に重点を置いた障碍者条約(障碍者基本法)に比べ、まだまだ不十分な面があると思っております。
現況のコロナウイルス対策の中で、世間で言われている『新しい生活様式』に合わせた新しい後見人の仕事の意味づけを改めて考える重要な機会として、学んできたパーソン・センタード・ケアの理念に基づき、如何にご本人の希望・意思を尊重した支援をしていくかを考え、実行して行きたいと思います。
(ケアを考える後見人)